2019.03.02
建設業界の「エンジニア」ビザについて
新たな在留資格「特定技能」がはじまります。建設業界も特定技能の対象となるため、建設業界では特定技能の在留資格を持った外国人労働者が増えることが予想されます。
現在、建設業界では、「技術・人文知識・国際業務」と「技能実習」の在留資格をもった外国人が働いていますが4月以降はここに「特定技能」が加わることになります。
では、この在留資格の違いはどこにあるのでしょうか?
入国管理局では、建設業という業種で企業が外国人を採用する場合、「現場作業もメインで行わせるのではないか?」という前提で審査がされます。
「現場作業」といった「単純労働」がメインの労働であれば「技能実習」の対象となるため、主に大学、短大卒の外国人を対象とした「技術・人文知識・国際業務」の対象となりません。
したがって建設会社が「技術・人文知識・国際業務」の業務で外国人を採用する場合は厳格に審査される傾向にあります。
「現場作業」でも国家資格を必要とする作業が中心であれば単なる「単純労働」ではなく「専門職労働」と判断され「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が認められる余地もあります。
また、施工監理や製図や設計は「単純労働」ではないため「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が認められやすくなります。
このように建設業界に外国人が就労する場合は現場作業ありきで入国管理局は審査するため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用する場合は専門性や単純労働でないことを企業側が立証する必要があります。
現在、ベトナム等の人材紹介会社が日本の建設会社に「エンジニア」といって人材を送り込むケースが良くあります。しかし、彼らのいう「エンジニア」と入国管理局で認められる「エンジニア」の認識に大きくズレがあることが多いです。
外国の人材紹介会社から外国人を採用する場合は十分に注意をし、リスク管理を行いましょう。